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3月27日、本会議で予算に対する反対討論を行いました。

消費税の認識、高すぎる国民健康保険の値上げ、公共施設の利用料、手数料値上げ、
八王子駅北口マルベリーブリッジの延伸、川口物流拠点計画などに反対しました。

以下が討論内容です。


それでは、日本共産党八王子市議会議員団を代表して、2019年度当初予算に対して反対の立場から討論を行います。
 市長の予算提案説明で述べられた「景気の好循環」、「景気の回復」について、20日に発表された政府の月例経済報告でも景気全体の判断を3年ぶりに下方修正し、政府自身が景気悪化の可能性を認めました。私どもはこの景気の好循環とのべた市長の提案説明に対して訂正を求めましたが、訂正はされませんでした。正確な経済情勢の認識が求められています。
雇用・所得環境が改善したとの政府の見解を市は引用していますが、384万人の就業者増は、65歳以上の非正規雇用266万人、18歳から25歳までの大学生の非正規雇用74万人、が内訳であり、年金だけでは暮らしていけない高齢者が働きに出、また高学費で苦しむ学生の8割が、授業期間中にアルバイトに従事するなど厳しい実態を反映しもので、所得環境の改善はみられません。八王子市市税白書でも非正規雇用と考えられる所得層の人数の増加が、20代でも、60代、70代でもみられることから、市でも同様の現象が起きているといえます。市が認めるように昨年の実績から算出した市税額であり、「景気回復」を見込んだものではありません。
また、いまの経済情勢のもと、今年10月に予定されている消費税10%増税は中止すべきという立場から、市長の考えを問うと、「特定の世代に負担を集中させず、国民全体で広く負担する消費税は社会保障の財源にふさわしい」と答弁されましたが、所得のあるなしに関わらず国民全体から同じ税率で負担をさせるのは、税制として極めて不公平です。ましてや所得が1億円以上を超えると税率が下がる今の税制こそ問題です。市は、消費税増税の猛威から、市民のくらしと営業を守る市政に転換すべきであり、消費税に対する誤った認識は改めるべきです。
 国民健康保険は、2019年度7.14%の増税、昨年の倍以上の値上げとなります。また、今年を含め6年間で35億円もの一般財源の繰り入れをゼロにするという計画も示されました。
 平均的な家庭で言うと400万円の4人家族の場合、現行が38万円なのに対し、来年度改定案が40万円へ、標準保険料率では51万円もの国保税に対し、「適用すべきものと考える」という答弁がされましたが、標準保険料率をもし適用すれば、尋常ではない値上げとなり、加入者の所得を大幅に奪い、子どものために蓄えていた資金までも国保にあてなければならないような事態になります。また、家族の分だけ保険税がかかる均等割の値上げで、子育て世代などを中心に、大きな負担となります。また、加入者の減少、高齢化が進めば、標準保険料率はどんどんひきあがる仕組みです。標準保険料率はあくまで参考値であり、適用すべきではありません。
 そもそも地方自治体が条例や予算で、住民の福祉のための施策を行うことを、国が「禁止」したり、廃止を「強制」することは、憲法92条の地方自治の本旨、94条の条例制定権を冒すものです。そのため、厚労省も国会では、「自治体の判断」と答弁せざるを得ない状況です。
 憲法の理念、地方自治法に明記されている住民の福祉の向上という目的に従って、これまでの一般財源からの繰り入れを維持すれば、大幅値上げはさけられ、市独自の子どもの均等割減免制度をつくることは可能ですので、今回の国保税の大幅値上げは認められません。
 次に行政改革についてです。
第9次行革大綱が示され、そこには人口の減少やフルセット主義からの脱却など、昨年公表された自治体戦略2040構想の共通の考えがいくつか示されています。
 人口減少を理由に様々な行政サービスを民営化、削減していくものですが、八王子市でも公共施設の統廃合、公共施設の利用料、各種手数料の見直しなどが今回の予算でも示されました。
 しかし2040構想が示す人口減少論は、五年間の国勢調査を基に若年女性の人口移動だけをみて、それが半減以下になると「自治体消滅」の可能性があるという「増田レポート」を基にした乱暴な少子化論です。
 その少子化論のもと、自治体サービスを民営化や削減、公共施設の集約化、利用料手数料の値上げ、補助金の見直しを行なえば、持続可能な都市とは逆行し、住民の福祉の向上図る足場を失い、縮小され、少子化をさらに悪化させることになります。
 受益者負担の適正化に関する基本方針に基づき今回、54項目の手数料、13施設での利用料の改定が提起されていますが、4施設での値下げ以外はすべて値上げとなっています。
 「原価とかい離があるため」と説明されていますが、この原価の算出方法は、基本方針にかかれている、算出式を用いています。手数料、利用料の各計算式には性質別の受益者負担割合を乗じることになっており、各施設が、斎場以外、すべてが50%か75%の受益者負担率に振り分けられているため、そのパーセンテージをかけて算出さればほとんどが、値上げになります。
 この50%、75%に二つに振り分けた理由を市側に問いましたが、負担割合設定の合理的な理由が確認できませんでした。
このような、根拠のない負担割合を乗じた計算式を用いて算出された各種利用料、手数料値上げは認めることはできません。 
 また、市民からの意見を料金設定にどのように反映するのかについても問われていますが、市民からの有料化反対の署名が所管に上がっていた富士森公園陸上競技場に関しても、有料化が示されており、この市民の意見を反映したとは考えられません。
 市には、社会教育法に基づき子どもから大人までスポーツに親しむ権利を保障していく責務があります。このような67項目にわたる手数料、利用料の値上げは、市民への新たな負担増となり認められません。
 補助金の見直しについても、長期間のものなどを、見直しをかけると言いますが、社会保障の分野では、国や都の補助が不十分なために、市が独自に支援を行ってきたものもありますし、当事者が市に働きかけ、制度をつくらせた補助金もあります。こうした補助金がどのような役割を市民に発揮しているのか、しっかり評価すべきです。市だけでは、手が届かないような事業に携わる市内の福祉分野の団体の生命線を断つようなことにならないよう、一律の補助金見直しは反対です。
 また、公共施設の削減として示された公立保育園の3歳から五歳の定員縮小化の方針は、この間の国補助の削減や全額市の負担となる公立保育園の幼児教育無償化費用が大きく影響していると考えられますが、実際都内の調査では、保護者の約五割が公立園を希望しており、需要が高い状況です。八王子市来年度の1次募集後の公立園の空き状況は1園の、2人分しか空いていませんでした。また3園で希望者が多く二次募集では募集人数を弾力化で増やしたとのことです。
  民間の認可保育園が定員に余裕が出ているのであれば、そちらで調整すべきことであり、市民の多くが求めている公立保育園削減で対応すべきではありません。
 町会自治会の活動活性化の推進に関する条例は、自主組織である町会自治会のあり方や、市民の役割まで、市の条例に定めることに一番の問題があります。この条例の策定委員会の議事録では、ある委員が「条例制定では、活性化や自主性は生まれないと考える」と発言されていますが、まさにこの発言がこの条例制定の本質を表していると思います。この発言に対してまともに議論された形跡がありません。
 自治会の加入率の向上を市が支援をしていくことは必要でありますが、条例がなくても向上させることはできます。市内でも高い加入率の自治会も存在し、そうした先進事例に学ぶなど、様々な自治会に対応した支援を市が行い、これまでやってきた支援を発展させていくことこそ求められています。また、自治会は、自ら決めた会則や規則で、活動のあり方などを決めており、条例制定は自主的な活動への介入となりかねないため、認められません。
 川町のスポーツパーク計画は、現在東京都環境保全審議会で審理されています。資金計画や維持管理計画の資金面の不備が大問題になっています。環境保全を実行する資金的保証がないため、本来審査対象ではない資金問題を考えなければならないからです。市が事前協議中に慎重な検討と指導で、事業成立が困難であることを判断すべきであったにもかかわらず、都の審査手続きに回したことが混乱を引き起こしている原因です。事業者らは、自己資金で施設建設すると説明していますが2社合わせても過去6年間の営業利益の平均額は年間100万円に及ばないことが財務諸表でも確認されていて建設費7億7千万円を自己資金で捻出することは不可能です。仮に残土受け入れ収入で建設するとしても5億円以上の赤字となり支える力はありません。このままでは残土が持ち込まれるだけで、施設建設はできない内容となっています。
市は、資金面の信用調査は、開発許可を求める申請手続きの中で行うと説明していますが、事業者らは、施工能力や維持管理計画は事前に市から了解されていると東京都に説明していることは重大です。
建設予定地内の公共施設公有地?について、「事業完了後に直ちに引き渡しができるよう土地の権利関係を調整」すること求めた協定書を市長と事業者間で作成していることは、これから資金の信用性を審査し判断をするという市の説明と矛盾するもので、事業許可審査の形骸化を招くものです。事業許可の是非で地域住民と大きな争いになっている問題で、市が行っている対応は断じて認めることはできません。
川口土地区画整理事業では、宅地造成規正法での許可がほんの一部分だけですが初めて下されました。市は十分な説明をするよう指導していると言いますが、説明は全く不誠実であり、将来の車の出入りがどうなるのかさえ説明されていません。指導をしているとはとても言えず、市の責任が問われる問題です。こうした事業遂行は認められません。
 市民要望もないマルベリ―ブリッジ延伸や北西部幹線道路建設に多額の税金を遣うことには反対します。
 以上、反対討論といたします。