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12月は議会に総選挙忙しいつきでした。

その中で、私が議会で取り上げたのは、

シルバーふらっと相談室館ヶ丘内のサロン事業

「ふらっとカフェ」を安定的に運営できるよう市の財政支援を

求めたものです。以下私の質問内容です。答弁は要約してあります。ご了承ください。

また、現在住民の方々が、請願署名に取り組んでおられます。

多くの学生ボランティアの皆さんや大学の教授まで署名に

協力してくれていると聞いています。

 


 日本共産党の青柳有希子です。通告にもとづきまして一般質問を行います。
 今回は、東京都シルバー交番事業であるシルバーふらっと館ヶ丘について順次質問を行います。
 東京都のシルバー交番事業は、東京都のホームページによると「高齢者の在宅生活の安心・安全を提供するために、地域に高齢者を見守る拠点を設け、高齢者からの相談受付や生活実態の把握、関係機関と連携した見守り、緊急通報システムによる見守り等を行います」とされています。現在都内で52か所設置され、八王子市には、2011年に館ヶ丘団地内の商店街の空き店舗に設置、その後長房に高齢者あんしん相談センター=地域包括支援センターと併設され、現在2か所となっております。
 2011年からシルバーふらっと相談室館ヶ丘、(以後、相談室と省略させていただきます)が開設され、その後事務所内を改装し、常設サロン、通称ふらっとカフェが併設され、四年が経過しました。
ここにきて突如、このカフェへの市の支援が打ち切られるとの情報が入りました。私は、9月の決算の厚生分科会の質疑の中のカフェ機能についての市側の答弁で「訪問件数は少なくても、カフェに来る高齢者の見守りになっている」と答弁を聞いた直後だったので、まさかこの時期に支援を打ち切るとは、と驚いたところであります。
 今回はこのサロン事業の継続を求めて、なぜこのサロン事業が必要なのか、明らかにしていきたいと思います。
 そこで最初に、シルバーふらっと相談室館ヶ丘と「ふらっとカフェ」が開設された経緯を改めてお示しください。

答弁:平成22年に団地自治会が再結成され、孤立、孤独防止を考える会などの会議を開くなど、高齢者に対する住民の意識も高まってきたこともあり、地域のネットワーク構築の拠点となることを目指し、平成23年5月に開設した。また同年10月には、外出を避けがちな高齢者が気軽に立ち寄れる場として、シルバーふらっとホーム館ヶ丘(ふらっとカフェ)を併設した。
次に、活動内容と実績についてですが、開設されてからこのふらっとカフェへの来所者数は、3万人を超えているとお聞きしていますが、活動内容と実績をお示しください。

答弁:シルバーふらっとホーム(ふらっとカフェ)を通じて情報収集とともに、情報発信を行っている。平成25年度は、シルバーふらっとホーム館ヶ丘は244日開設、1万2109人の利用があった。
 
 私が、ふらっとカフェについて住民のみなさんや事業者の方にお話をうかがいましたが、一様に「カフェなくして相談室はない」とおっしゃられていました。
 それは、カフェに来ているお年寄りや住民のみなさんが、お互い顔見知りになり、お互いの気遣いや安否確認をするようになっているからです。
 館ヶ丘団地には、都心の住宅を引き払って、移り住む高齢者の方や、近くにお子さんがいる高齢者世帯が多く住み、あえて新たな関係をもとうとしないという傾向がありました。引っ越して間もない方だけでなく、長く住んでいる方でさえも、お互いに声をあまりかけないなど、関係が希薄になっている部分があったと言います。
相談室を利用されているある男性の方は、「多くの人は、一日中テレビを見て過ごすことが多かった人が、カフェができ、外に出てコーヒーを一杯飲んで、少ししゃべって帰るということができるようになったのが最大の変化だ」と話しています。
 私も館ヶ丘団地に住んでいますから、毎日、ふらっとカフェを目指してゆっくり歩いて通っているお年寄りの姿を、お見かけすることが、多々ありました。
 そして、次々と住民の方、自治会の方々がカフェのボランティア店員として、いきいきと接客されています。
 その中で、お互いの近況などを伝え合う緩やかなつながりができ、「カフェに○○さんが来ていないけどどうしているか」「○○さんは入院している」など、安否を気遣う関係ができ、相談室の相談員の方は「重要な情報は、カフェでどんどん入ってくる」とのことです。
 住民3800人に対して、開設以来のカフェの来所者数は、延べ3万人以上ですから、膨大な住民の情報を相談室は、カフェを通じて得ることができているそうです。
 気になる人、問題を抱えている人などには必ず相談員が訪問をかけ、適切なサービスにつなげるという仕組みです。
 それだけではありません。住民同士がつながって、ちぎり絵サークルや館小中学校の卒業生にコサージュを作り送るなど、自発的に企画されるサークルやイベントも出てきています。こうしたことは人が集まる場所がなければできなかった関係だと思います。お年寄りを訪問し、安否確認をする機能だけであれば、生まれなかったネットワークです。
そこでお伺いしますが、相談室とカフェが併設されたことの意義と役割をどのようにとらえて、どのように評価しているのかお示しください。

答弁:常設サロンについては、地域の高齢者がいつでも気軽に立ち寄ることができる場として、社会参加を促す効果があり、地域住民の交流の拠点と考えている。ひきこもりや孤立防止の役割が期待される。いずれにしても、高齢者の生きがいづくり、参加促進に寄与している。 

ただ今、相談室とカフェが併設されたことの意義と役割について、お答えいただきました。非常に重要な意義と積極的役割を果たしていると認識していることを確認しました。
付け加えて申し上げますと、これまで、様々なイベントがふらっとカフェを通じておこなわれ多くの学生ボランティアが、参加しています。
カフェで出てきた問題、課題に対し学生が解決のための企画を立てることもしています。例えば、ある聴覚障害者の方が「手話を広めたい」との思いをもっていることを、学生が聞き出して、手話サークルを作り、その方に先生になってもらい、住民も含めてみんなで手話を学ぶ企画とし、住民同士のネットワークを広げていったそうです。
 高齢当事者や自治会、住民だけでなく、学生が支援に入ることで、新たな起爆剤として、カフェの役割が発展しています。
 その一つが、「ふらっと塾」であります。これは、あるお年寄りとのかかわりがきっかけでした。そのお年寄りのお孫さんが少し心配な状況だったことがわかり、そのお孫さんが受験生ということで、「勉強を教えてあげたい」と学生が立ち上がりました。その子の友人も含めて4人の中学生が集まったそうです。さらに、そうした取り組みを知った地域の方が、夜の勉強会に差し入れをするようになり、この勉強会が続けられた結果、全員が進学することが決まったそうです。
 こうした、学生が生き生きと地域のコミュニティの中に入っていくことが、各大学でも注目を集め、尾木ママこと、教育評論家で、法政大学教授の尾木直樹さんが「なぜ高齢者の施設で学習塾ができたのか」と注目をされ、相談員の方はこのたび講演会に招かれ、尾木さんと一緒に話すことになっているそうです。
 法政大学多摩ボランティアセンターコーディネーターで、現早稲田大学教員の石野由香里さんは、先ほど、申し上げたふらっと塾や、手話サークルの事例などをボランティア・NPO・市民活動情報誌「ネットワーク」に連載で紹介しています。
 タイトルは「学生の特徴を活かして地域を変える方法」構造編と実践編となっています。石野さんはこの中で、学生を地域に参加させることに関して次のように言っています。
「学生を送り込むと言っても、「はい、では○○人」と派遣するだけでは成り立たない。そもそも課題が存在し、どうしたら良いかわからないから助けを求めてくる地域の中に、ただ学生を放り込んでも機能せず、挫折して戻ってくることの方が多い。その結果受け入れ側には「今の学生は何をやらせても続かない」「学生の気持ちがわからない」とういうような失敗経験として刻印される」さらに「学生は時限的なかかわりしか持てないし、「何のためにやっているのか」などの目的・動機も不安定だ。しかし、学生はその不確定・不安定な立ち位置ゆえ、様々なムーブメントをおこす起爆剤となりうる。これらのことは、すぐに効果になるとは限らず、「役立っている感覚」も想定通りには得られないため、両者が待ちきれずに空中分解をしてしまうことも多いだろう。Iさん、(これはふらっとカフェの相談員です)や筆者のようなコーディネーターが細やかに相談にのりながらも両者を対等に見渡せる立場に立ち、それぞれの立場の代弁者になり翻訳し、時には活動に意味づけをあたえながら、励まし続けることが大切だ」と述べています。まさにこれがふらっとカフェで多くの学生が力を貸してくれ、新たなネットワークを作ることになった最大の成功要因だと思います。
今多くの大学・学校の学生が研修にきております。これまで、参加した学校は法政大学をはじめ、早稲田、東海大、明星大、創価大、東洋大、杏林大、そして八王子市立看護学校などです。またシルバーふらっとを通じて、団地の課題などの研究をしている大学もあります。
相談室とカフェを併設したことで、様々な取り組みが行われ、地域住民同士や学生とのつながりが大きく発展していることが、大学での研究対象になっているといことです。
学生の街八王子で、どう地域とのかかわりを持ってもらうか、議論されてきたと思います。そのなかで学生と地域がうまくかみ合って、回っていった成功事例だと思います。多くの大学教授の方々も注目しています。そのことについて、市はどのように評価しているのか、お示しください。

答弁;常設サロンへの大学の参加については、寺子屋の活動、高校生や大学生が熱中症予防に取り組んでいるということで、多世代の交流が行われているということで、評価をしているところである。
私は、大学生の活躍について二つ感動したことがあります。一つは、今年二月の大雪の日に土日にもかかわらず、ふらっとの相談員の方と、大学生二名が駆けつけ、雪かきや、お年寄りへの連絡を始めていたことです。
もう一つは、夏祭りのおみこしが、学生の力で27年ぶりに復活したことです。学生の力が地域を活気づけたことは間違いありません。こうした学生が力を発揮するうえでも、学生と地域をつなぐコーディネーターの必要性についてどのように考えているのか、考えをお聞かせください。
答弁:シルバーふらっと相談室館ヶ丘では、大学生発案でハロウィンやクリスマスイベントを実施したり、個人個人の特性や特技を生かすなど、うまくコーディネートをしている状況があると考えている。

ただ今、うまくコーディネートしている状況があるとの答弁がありましたが、こういった役割についてぜひ考慮していただきたいことであります。
 最後に財源の問題です。この事業は、相談室が東京都のシルバー交番事業であり、ふらっとカフェが常設サロン事業で、人員配置は、相談室が1.5人、ふらっとカフェが0.5人分の予算で始まりました。相談室の方は、東京都と市が1/2ずつ折半で、合計約1100万円。ふらっとカフェは、10/10東京都の先駆的事業の財源があてられ、およそ450万円の予算でした。この先駆的事業は2011年から2013年までの3年間でありました。今年度は、補助金として例年より100万円低い350万円という予算規模で、行われています。この今年度のカフェへの予算が終了すると、お聞きをしたところです。
ふらっとカフェでできたかけがえのないネットワークを崩さないために、事業者側も赤字覚悟で例年運営をされていると聞いています。事務所のカフェへの改装も事業者が負担していると聞いております。少しでも予算規模が減れば、事業者側にしわ寄せがくることになります。
 カフェとシルバー交番事業の併設は都内でも珍しく、大半が地域包括支援センターと併設で、中には包括との住み分けの難しさの課題も出てきている、とお聞きしています。その点シルバーふらっと館ヶ丘は、地域住民とのネットワークづくりでは、非常に先進的な取り組みとなっていることが、視察が相次でいる理由ではないでしょうか。
また、UR館ヶ丘団地の条件上、館ヶ丘は2種中高層というエリアであり、訪問だけを行い誰も来客が来ないような事務所は設置不可であり、店舗のような人が来客をする機能を持たなければならないという条件があります。カフェがあることで、大勢来客しますので大幅にその要件をクリアしているということです。館ヶ丘団地の用途地域の制限をクリアするうえでもカフェ機能は、大きく貢献していると思います。

私は、こうした住民のネットワー作りは住民と学生だけがいても生み出せないと思います。カフェでの日々の関係づくりや、イベントでのやり取りなどを通じて徐々にできてくるものだと思います。そしてそれには、両者の力を信頼して、両者をつなぐコーディネーター的な役割が必要で、一定の費用がかかるということを認識していただきたいと思います。
費用がかかると言っても、館ヶ丘の成果を見ますと、カフェに来た様々な世代のさまざまな困難を解決していくという役割を果たしていることを一つ捉えても費用以上の効果を生んでいます。
これは、市と東京都の責任でさらに発展させ、他の地域にもぜひ広めていただきたいと考えています。
NHKのドラマ「サイレントプア」で主人公のモデルとなった大阪府豊中市のコミュニティソーシャルワーカーの勝部麗子さんは、シルバーふらっと館ヶ丘について話されています。それは、偶然シルバーふらっと館ヶ丘に豊中市でボランティア活動の先頭に立っていた方が関わっていた方が支援に入っていることがきっかけで、勝部さんがシルバーふらっとを知ったということです。勝部さんは、シルバーふらっと館ヶ丘の取り組みについて「まさにコミュニティソーシャルワーカーの役割を果たしている」と評価していただいた、と事業者からお聞きしました。
また、自治会の活動をされている住民のある方は、「シルバーふらっとは、高齢者の隠れた力を引き出し、自信と自立を促し、見守られる側だけではなく見守る側に立つことができることを気づかせてくれた」とお話しています。
これらのお話を聞いてカフェと併設のシルバーふらっと館ヶ丘は、福祉行政全般の一つの発展方向だと感じました。お年寄りだけではなく地域が抱える問題の全体を見渡し、ボランティアを組織し、カフェでできた地域住民のネットワークを活用して、共に問題の解決に乗り出す、そうした組織者、そして福祉分野に精通している人が求められていると思います。そこに、市の財政的な支援を行うのは当然ではないでしょうか。
そこでお伺いします。シルバーふらっと内のふらっとカフェが安定的に運営できるように、市の財政支援運営費補助金を打ち切らず継続すべきだとおもいますが、いかがでしょうか。さらには、館ヶ丘のシルバーふらっとが果たしている機能を発展させ、成功事例を教訓に他の地域にも広めていくことが、必要だと思いますがいかがお考えでしょうか。

答弁:シルバーふらっとホーム館ヶ丘については、都の補助事業、先駆的事業で補助率10分の10の補助を受けて実施してきた。この補助は、3年目となる平成25年度を持って終了した。当初三年で補助打ち切りで、その後については、自主的な運営ということを伝えてきた。ただし、3年目は、自立化が困難であるということから、平成26年度からは2分の1補助を受ける形で実施している。
 今後も、シルバーふらっと相談室の協力を得ながらの支援についてはすでに検討しているところである。またこの事業については、今後他の地域にも進めていきたいと考えている。

市長にお伺いします。シルバーふらっと館ヶ丘の実績は、他自治体、大学の研究者も注目する先進的な成功事例だと思います。安定的にさらに発展させるため、財政的な支援が必要です。また、高齢化が激しい館ヶ丘団地への対応について、市長のお考えをお聞きします。

市長:ただ今、質問者からもるるお話がございましたように、住民の約半分が高齢者となった館ヶ丘団地での取り組みにつきましては、今後ますます進む高齢化への対応の先例となっていくものと考えております。そこで、先ごろ、貸主でありますURと、館ヶ丘団地をモデル地区と定めた協定を取り交わしたところであります。財政支援につきましては、先ほど部長から答弁があったところでありますけれども、今後もURや住民の方々との連携を深めながら、高齢者が安心して暮らせるまちづくりを進めて参りたいと考えております。

市長から「超高齢化についての認識と団地再生の必要性について答弁がありました。財政支援については部長が答えた通りということで、事業者も来年に向けても継続、維持したいというおもいで準備をされていますので、ぜひ、いち早くそういった支援を決めていただいて、こういった地域全体を俯瞰するコーディネーターの役割に対する評価と、財政支援の継続を強く求めて私の一般質問を終わります。


来年度予算に向けて三月は、議論がされます。また、
三月の議会前に住民の方が提出した請願署名が、
厚生委員会で審議にかかります。
答弁の中に「三年の約束で」という言葉が出てきますが、
これは当然住民は知らされていませんでした。
そもそも「三年で終わる」とわかっていたら、これほど
多くの地域住民、学生が参加し成功を収めることができたでしょうか。
都の全額補助は、三年間でありますが、成功すれば当然「継続」を視野に入れ
市も負担をしながら途切れなく継続することは、決して不自然なことではありません。
引き続き事業の継続を求めていきます。
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