先日の一般質問で、青年の雇用問題を取り上げました。
その一部を載せます。
【1回目】
日本共産党の青柳有希子です。通告にもとづきまして一般質問を行います。今回は、若者が夢と希望を持てる社会、八王子をつくるために、若者を取り巻く状況とその対策について質問したいと思います。
この数年「派遣切り」「ワーキング・プア」という言葉が日常化するなど、いま、若者は、働き方やくらしをめぐって状況が大変悪くなっています。かつてない深刻な就職難の問題をはじめ、若者に生きづらさを強いるこの社会の現実を打開することは、若者にとってはもちろん、日本社会の活力ある発展にとっても大事なことではないかと思います青年に仕事がないということは、企業の中でも「青年に技術をひきつぐことができない」という事態も引き起こしています。これでは、日本経済の底がぬけてしまうことになります。
自治体としても青年の雇用問題に真剣に取りくみ、青年を応援し青年を守るセーフティネットを作っていくことが、地域経済の未来を育てることにもつながると思います。
青年の置かれている深刻な状況を示す数字があります。2010年の自殺者の数について、警視庁の統計資料を見ますと、八王子市内で自ら命を絶った方は、1年間で140人にも上りました。これは、全国27位、都内では6位、多摩地域では1位という大変ショッキングな数字です。
前年と比べて自殺者が28人も増え、増加数は全国ワースト4位というのも重大です。年代別にみると、50代の21人についで、20代が20人と二番目に多い世代となっているのが特徴です。都内のほかの自治体と比べても、杉並区の21人に次ぐ多さです。
学生12人を含む101人が無職者となっており、自殺者の7割以上は仕事がなかったということになります。
具体的に、私の周りの青年の声を紹介したいと思います。
内定取り消しなども社会問題になっています。私の周りの学生の実態ですが、大学3年生の終わりから就職活動をはじめ、相当な数の会社を受けても内定が取れませんでしたが、やっと内々定、(内々定というのは10月前に会社が内定を出すことですが)それがでて、「やっと卒論に専念できる」と思った矢先、会社からのメール1通のみで内々定が取り消されてまったそうです。その方は、そのことを親にも言うことができず、それをきっかけにうつ病を発症していまい、自殺未遂をしてしまった、という大変痛ましい実態があります。
そこでおうかがいします。本市における自殺者の増加や特徴について、市はどのように受け止め、原因や背景についてどのような分析を行っておられるのか、お答えください。
9月10日の“世界自殺予防デー”、9月10日から16日までの“自殺予防週間”(国)、また東京都では、9月を“自殺対策強化月間”と定めています。本市では、保健所が所管となって、自殺予防対策に取り組んでおられますが、具体的な取り組みの内容についてお知らせください。
つぎに、ひきこもりについておうかがいします。
昨年、私たちの会派の先輩の山口議員が一般質問で青年の問題を取り上げました。内閣府の調査により、15歳から39歳の若者のひきこもりの実態について、全国で70万人の若者がひきこもり状態にあり、今後ひきこもりになる可能性のある人が155万人と推計値が発表されたことを紹介しました。東京都が、これを自治体ごとに当てはめた数値を出し、東京都全体でひきこもりが7万7,789人、国の実態調査による出現率1.79%で推計すると、八王子市には15歳から39歳の若者18万2,000人のうち3,258人がひきこもり状態ということになると指摘しました。
内閣府の調査では、ひきこもりになった青年の20.3%が「就職活動がうまくいかなかった」と答え、30代からひきこもりになった青年も23.7%いることが明らかになっています。内閣府は、「引きこもりは不登校と結び付けられがちだが、職場での人間関係も大きな要因だ」と指摘しています。
昨年の山口議員が青年の実態調査を求めたところ、市は「ひきこもり、失業の状況や課題をひとくくりにした調査は、15歳から39歳までと年齢も幅広く、課題も多岐にわたるため、難しい」「現在、ひきこもりにつきましては保健所で相談を受けている」。「国や東京都もさまざまな角度から若者に関する実態調査を実施して、それらの活用を図るともに、庁内での情報共有に努めてまいりたい」と答弁しています。
そこでおうかがいします。保健所で受けている相談の件数や内容はどのようになっているのでしょうか、お示しください。国や東京都の行った調査結果のうちどんなものをどこの部署で把握しているのか、お示しください。
次に、雇用・就労支援対策についておうかがいします。
昨年市は、山口議員の質問に対して「雇用について、若者就職面接会などの機会を通じまして、個別に実態把握に努めている」とお答えになっていますが、把握された事例をいくつかご紹介ください。
青年の雇用・就労支援対策としては、昨年山口議員の質問におきまして、若者サポートステーション、ひきこもりセーフティネットあだちの取り組みについて紹介しました。私も当時山口議員とサポートステーションの視察に参加いたしました。
あだち仕事道場と呼ばれ、サポステスタッフとチームを組んで企業の現場で行う就労訓練。ありがとうの言葉を就活の糧に。いいことし隊。商店街清掃やデイサービスでのお手伝いなど、社会とのつながりを持つ第一歩としても参加しやすいものも用意されています。
私は、この視察を通じて、こうした支援が八王子でもできれば、今までとは違う青年の支援、1歩も2歩も進んだ支援ができるのではないかと感じました。特に、ひきこもりの青年らが集って、横のつながりをつくれるような自宅以外の居場所を区として提供しているということが、先駆的だと思いました。
山口議員の質問に対する市の答弁では、企業支援・雇用対策担当部長は「先行事例として挙げられたあだち若者サポートステーション等も参考にし、今後もよりよい、より有効な制度の構築、そして対応に向けまして検討してまいりたい」とお答えになりました。黒須市長は、「足立区は、たまたま区長が大変仲よしでございますので、足立区の例も私どもでも調査をしてみたい」とお答えになりました。
そこでおうかがいします。本市として足立区の取り組みについて、現地視察や聞き取りも含め、いつどなたがどのような形で調査をされたのでしょうか。お答えください。また、参考事例として教訓として八王子市で具体化された施策として挙げられるものはあるのでしょうか、お答えください。
本市の対策として、これまでハローワークとの連携はどのようにとられているのでしょうか就職面接会や相談会、八王子駅前のしごと情報館における心理カウンセリング、関係機関との連携で本人や親を対象としたセミナーの開催が挙がっておりますが、これらの対策の成果についてお知らせください。さらに、八王子しごと情報館には新卒応援ハローワークが設置されておりますが、その取り組みの内容についてお知らせください。
次に、本市では、事業者が国のトライアル雇用制度を利用して、市内に居住する40歳未満の青年を3ヵ月間試行雇用した後に、続けて3ヵ月以上常用雇用した場合に、市が中小企業事業者に奨励金として1人5万円を交付する若年者雇用奨励金制度があります。
この制度は本市独自の雇用施策として、若者の雇用につながる有効な施策であると評価されていますが、昨年度の実績及び今年度の実績についてお答えください。
たちかわ若者サポートステーション、国分寺市の東京しごとセンター多摩について、八王子の若者がどのように利用しているのか、つかんでおられましたら、お答えください。
以上で1回目の質問とします。
【2回目】
それでは、2回目の質問を行います。
自殺者の増加について、お答えいただきました。「自殺対策は喫緊の課題と認識」しておられるということでした。今年の自殺者数も7月までですが、発表され、そこでは昨年を上回るペースになっていることがわかります。東京都の昨年の自殺者数は年間で2,953人でひと月だいたい210から多いときは260代でしたが、今年の5,6、7月は、330、322、279人となっていて、累計で1,874人になっています。八王子の数はまだ出ていませんが、このままですとさらに今年は悪化してしまう可能性もあります。
そこで提案したいのは、市として青年のワンストップ相談窓口を設置することです。就職活動や失業、職場の人間関係、多重債務など精神的に追いつめられても、気軽に相談でき、専門家のアドバイスも受けられ、該当する場合には市をはじめとした福祉などのサービスの紹介もしてもらえる相談窓口です。
私も先日、受けた相談では「生活が苦しくて死にたい」という方がおられました。お話を聞くと、その方には多重債務がありましたので、弁護士を紹介し相談に行ってもらいました。相談者の方は「こんなに早く解決できるとは」と喜んでおられました。
このように、ほかの専門家にすぐに結びつけるということも、自殺したい気持ちを思いとどまらせることになると思います。
青年の自殺が深刻な状況ですので、ぜひ自殺を減らす対策としても設置を検討していただきたいと思います。
内閣府は、自殺対策推進室を設け、地域自殺対策緊急強化基金を都道府県に交付し、条例にもとづいて市町村に交付される仕組みができております。こうした財源を広報などだけではなくさらに活用して、ワンストップ相談窓口の設置に生かしていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
国や東京都のひきこもりの実態把握と対策についてですが、
東京都がH22年に発表した調査では、H19年にひきこもりの状態にある若年者の調査を開始し、その結果を報告しています。その引きこもりの若年者の78%の人が相談の意向あり、と答えていることや、東京都が行ったひきこもり支援団体の実態調査では「就労・就学の前段階の支援が不足している」こともあげ、支援プログラムを決めています。そして、支援内容としては「自宅以外の居場所(フリースペース)の提供、社会参加への準備支援(社会体験活動)などが挙げられています。この調査結果をふまえ、足立区では、若者サポートステーションでは、仕事を実際に体験するプログラムや居場所などを設けています。
八王子市としても、まずは調査に踏み出して、実態を把握する必要があると思います。
市としてつかんだ個別の実態把握例について
山口議員の質問の答えとして「若者就職面接会などの機会を通じまして、個別に実態把握に努めている」ということでしたが、実際に面接会に来た方々の実態・様子として、雇用状況の厳しさ、そして求職者のコミュニケーションスキルなどの低さを感じた、ということでした。来た方々だけの調査ではなく、ぜひ、八王子に住んでいる青年全体の状況の調査をしていただきたいと思います。
次に、雇用・就労支援の対策についてです。
足立区の取り組みについて、調査結果などをお答えいただきました。
そこでぜひ、八王子でいかしていただきたいメニューの一つが、企業の現場で行う就労訓練です。市内の中小企業の協力を得て、実際に仕事を体験できるようなプログラムをつくり、青年の就労支援を図るということができないでしょうか。お考えをお聞かせください。
これまでも市ではしごと情報館におけるカウンセリングを行ってきたこと、その実績についてお示しいただきました。新卒応援ハローワークの状況もおうかがいしました。それぞれの機関のご努力に敬意を表します。これまで、私も5年以上前に青年の雇用の問題で、ハローワークや労働情報センターにも要請に行ったことがありますが、その時の印象としては、「連携があまり取れていない」という印象でした。その時から比べましても、連携は進んでいると感じました。
この新卒応援ハローワークに私も先日、視察に行き、担当者の方にお話を伺いました。このしせつは、昨年大学生の就職内定率の悪化などを受け、国が緊急に設置したもので、八王子と六本木にしかない貴重な施設です。八王子新卒応援ハローワークでは、実際にジョブサポーターという方々が、多摩地域すべての大学に足を運び、学校のキャリアセンター(就職課)と関係を作っていたり、直接の学生支援、中小企業とのマッチングを行っているということでした。青年を雇用に結びつけるという面でも、この新卒応援ハローワークとさらに連携を深めていただきたいと思います。
市の体制として田中副市長を本部長とした雇用対策本部、企業支援・雇用対策担当部長の配置と努力していただいてまいりましたが、さらに一歩進んで対策を強化していくために、現在の産業政策課とは別に、就労支援課を設けていただきたいと思います。足立区の経験から見ても、外部にサポートステーションを設置しただけでなく、区の体制としても就労支援課を設けて対策を強化しています。足立区は、その就職支援課の職員とNPOの職員で足立若者サポートステーションを運営しています。ぜひ、市の体制強化として就労支援課の設置についてお考えをお聞かせください。
足立区の経験から見ても、専門家のアドバイスやカウンセリングを受ける機会とともに、対象となる青年同士がつながりあい、助け合う活動の中で、自分の居場所ややりがいを発見していくプロセスが、就職にむかう力になると思います。また、先ほども言いましたように東京都の調査においても「自宅以外の居場所の提供」の必要性を報告しています。東京都のホームページにありますひきこもりサポートネットには、ひきこもりを次のようにとらえています。「一見怠けているように見えますが、本人は社会とかかわれに苦しんでいます」「ひきこもりの方は、人との関係に自信を失っています。少しづつできることから人との関係を回復し、自信を取り戻すことで、社会とかかわることができるようになります」というように人との関わりをつくっていくことが、重要だということだと思います。東京都では今年1月に「ひきこもり等の若者支援プログラム」のなかでこう述べています。「ボランティアや共同作業を通じて社会に参加する自信と能力を醸成することや、自宅以外の居場所や役割を提供して安心感を与え、自己の存在や生きていくこと自体への肯定感を醸成することを目的とした多様な取組を広げていく必要があります」とのべています。
ひきこもりの青年がいきなりハローワークへ、ということではなく家以外の居場所をつくり足立区のようにNPOの力もかりて、アドバイザーがいるコミュニケーションセミナーで青年同士がつながれる居場所を作ることが一定の実績を上げています。
そこでおうかがいします。八王子において、ひきこもりの青年が就労に向かう途中において青年同士がつながりあい、助け合うことのできる家以外の居場所、フリースペースづくりを進めていただきたいと思いますが、市のお考えをお聞かせください。
【3回目】
それでは、3回目の質問を行います。
自殺予防とひきこもりの対応について、今後どのように力を入れていきたいと考えておられるか、岡部副市長からお考えをお聞かせください。
若者の完全失業率は、全世代平均の2倍以上(34歳以下)、安い給料で生活設計もままならない派遣やアルバイト、契約社員など非正社員は、24歳以下で2人に1人に達します。派遣労働者の労災も跡をたちません。正社員の働かされ方も劣悪です。長時間労働がはびこり、仕事が原因のうつ病も相次ぐ──若者の雇用問題は深刻です。
これらは自然現象ではなく、若者1人ひとりに責任があるのでもありません。財界の要望にこたえ、「派遣労働の自由化」「裁量労働制の導入」など、政府が「労働法制の規制緩和」をすすめてきた結果、格差と貧困が広がり青年の二人に一人が非正規労働者という事態になりました。
国政レベルでの対策が重要なことは言うまでもありません。しかし、追いつめられ心の病に陥ったり、自ら命を絶つ青年をなくすために、身近な地方自治体として市ができる限りの努力をする必要があります。また、その実践例が足立区という同じ東京都内の自治体にあるのです。ひきこもりの青年の居場所づくりや就労支援などの青年を応援するセーフティネットを広げていくことともに、特に市民の要望が多い分野で雇用を増やす、認可保育園の増設や特別養護老人ホームなどを増やしていくことは、中小企業の仕事も増やし、地域の新しい雇用の場をふやすことにもつながります。市の政策として直接雇用を増やしていくことも重要だと考えます。
雇用を市政の重要問題ととらえ、雇用対策本部長してこの間真剣に向き合ってきた理事者として、今後の市の青年の雇用・就労支援対策について、どのような決意で取り組まれていくのか、お考えをお聞かせいただいて、私の一般質問を終わります。
その一部を載せます。
【1回目】
日本共産党の青柳有希子です。通告にもとづきまして一般質問を行います。今回は、若者が夢と希望を持てる社会、八王子をつくるために、若者を取り巻く状況とその対策について質問したいと思います。
この数年「派遣切り」「ワーキング・プア」という言葉が日常化するなど、いま、若者は、働き方やくらしをめぐって状況が大変悪くなっています。かつてない深刻な就職難の問題をはじめ、若者に生きづらさを強いるこの社会の現実を打開することは、若者にとってはもちろん、日本社会の活力ある発展にとっても大事なことではないかと思います青年に仕事がないということは、企業の中でも「青年に技術をひきつぐことができない」という事態も引き起こしています。これでは、日本経済の底がぬけてしまうことになります。
自治体としても青年の雇用問題に真剣に取りくみ、青年を応援し青年を守るセーフティネットを作っていくことが、地域経済の未来を育てることにもつながると思います。
青年の置かれている深刻な状況を示す数字があります。2010年の自殺者の数について、警視庁の統計資料を見ますと、八王子市内で自ら命を絶った方は、1年間で140人にも上りました。これは、全国27位、都内では6位、多摩地域では1位という大変ショッキングな数字です。
前年と比べて自殺者が28人も増え、増加数は全国ワースト4位というのも重大です。年代別にみると、50代の21人についで、20代が20人と二番目に多い世代となっているのが特徴です。都内のほかの自治体と比べても、杉並区の21人に次ぐ多さです。
学生12人を含む101人が無職者となっており、自殺者の7割以上は仕事がなかったということになります。
具体的に、私の周りの青年の声を紹介したいと思います。
内定取り消しなども社会問題になっています。私の周りの学生の実態ですが、大学3年生の終わりから就職活動をはじめ、相当な数の会社を受けても内定が取れませんでしたが、やっと内々定、(内々定というのは10月前に会社が内定を出すことですが)それがでて、「やっと卒論に専念できる」と思った矢先、会社からのメール1通のみで内々定が取り消されてまったそうです。その方は、そのことを親にも言うことができず、それをきっかけにうつ病を発症していまい、自殺未遂をしてしまった、という大変痛ましい実態があります。
そこでおうかがいします。本市における自殺者の増加や特徴について、市はどのように受け止め、原因や背景についてどのような分析を行っておられるのか、お答えください。
9月10日の“世界自殺予防デー”、9月10日から16日までの“自殺予防週間”(国)、また東京都では、9月を“自殺対策強化月間”と定めています。本市では、保健所が所管となって、自殺予防対策に取り組んでおられますが、具体的な取り組みの内容についてお知らせください。
つぎに、ひきこもりについておうかがいします。
昨年、私たちの会派の先輩の山口議員が一般質問で青年の問題を取り上げました。内閣府の調査により、15歳から39歳の若者のひきこもりの実態について、全国で70万人の若者がひきこもり状態にあり、今後ひきこもりになる可能性のある人が155万人と推計値が発表されたことを紹介しました。東京都が、これを自治体ごとに当てはめた数値を出し、東京都全体でひきこもりが7万7,789人、国の実態調査による出現率1.79%で推計すると、八王子市には15歳から39歳の若者18万2,000人のうち3,258人がひきこもり状態ということになると指摘しました。
内閣府の調査では、ひきこもりになった青年の20.3%が「就職活動がうまくいかなかった」と答え、30代からひきこもりになった青年も23.7%いることが明らかになっています。内閣府は、「引きこもりは不登校と結び付けられがちだが、職場での人間関係も大きな要因だ」と指摘しています。
昨年の山口議員が青年の実態調査を求めたところ、市は「ひきこもり、失業の状況や課題をひとくくりにした調査は、15歳から39歳までと年齢も幅広く、課題も多岐にわたるため、難しい」「現在、ひきこもりにつきましては保健所で相談を受けている」。「国や東京都もさまざまな角度から若者に関する実態調査を実施して、それらの活用を図るともに、庁内での情報共有に努めてまいりたい」と答弁しています。
そこでおうかがいします。保健所で受けている相談の件数や内容はどのようになっているのでしょうか、お示しください。国や東京都の行った調査結果のうちどんなものをどこの部署で把握しているのか、お示しください。
次に、雇用・就労支援対策についておうかがいします。
昨年市は、山口議員の質問に対して「雇用について、若者就職面接会などの機会を通じまして、個別に実態把握に努めている」とお答えになっていますが、把握された事例をいくつかご紹介ください。
青年の雇用・就労支援対策としては、昨年山口議員の質問におきまして、若者サポートステーション、ひきこもりセーフティネットあだちの取り組みについて紹介しました。私も当時山口議員とサポートステーションの視察に参加いたしました。
あだち仕事道場と呼ばれ、サポステスタッフとチームを組んで企業の現場で行う就労訓練。ありがとうの言葉を就活の糧に。いいことし隊。商店街清掃やデイサービスでのお手伝いなど、社会とのつながりを持つ第一歩としても参加しやすいものも用意されています。
私は、この視察を通じて、こうした支援が八王子でもできれば、今までとは違う青年の支援、1歩も2歩も進んだ支援ができるのではないかと感じました。特に、ひきこもりの青年らが集って、横のつながりをつくれるような自宅以外の居場所を区として提供しているということが、先駆的だと思いました。
山口議員の質問に対する市の答弁では、企業支援・雇用対策担当部長は「先行事例として挙げられたあだち若者サポートステーション等も参考にし、今後もよりよい、より有効な制度の構築、そして対応に向けまして検討してまいりたい」とお答えになりました。黒須市長は、「足立区は、たまたま区長が大変仲よしでございますので、足立区の例も私どもでも調査をしてみたい」とお答えになりました。
そこでおうかがいします。本市として足立区の取り組みについて、現地視察や聞き取りも含め、いつどなたがどのような形で調査をされたのでしょうか。お答えください。また、参考事例として教訓として八王子市で具体化された施策として挙げられるものはあるのでしょうか、お答えください。
本市の対策として、これまでハローワークとの連携はどのようにとられているのでしょうか就職面接会や相談会、八王子駅前のしごと情報館における心理カウンセリング、関係機関との連携で本人や親を対象としたセミナーの開催が挙がっておりますが、これらの対策の成果についてお知らせください。さらに、八王子しごと情報館には新卒応援ハローワークが設置されておりますが、その取り組みの内容についてお知らせください。
次に、本市では、事業者が国のトライアル雇用制度を利用して、市内に居住する40歳未満の青年を3ヵ月間試行雇用した後に、続けて3ヵ月以上常用雇用した場合に、市が中小企業事業者に奨励金として1人5万円を交付する若年者雇用奨励金制度があります。
この制度は本市独自の雇用施策として、若者の雇用につながる有効な施策であると評価されていますが、昨年度の実績及び今年度の実績についてお答えください。
たちかわ若者サポートステーション、国分寺市の東京しごとセンター多摩について、八王子の若者がどのように利用しているのか、つかんでおられましたら、お答えください。
以上で1回目の質問とします。
【2回目】
それでは、2回目の質問を行います。
自殺者の増加について、お答えいただきました。「自殺対策は喫緊の課題と認識」しておられるということでした。今年の自殺者数も7月までですが、発表され、そこでは昨年を上回るペースになっていることがわかります。東京都の昨年の自殺者数は年間で2,953人でひと月だいたい210から多いときは260代でしたが、今年の5,6、7月は、330、322、279人となっていて、累計で1,874人になっています。八王子の数はまだ出ていませんが、このままですとさらに今年は悪化してしまう可能性もあります。
そこで提案したいのは、市として青年のワンストップ相談窓口を設置することです。就職活動や失業、職場の人間関係、多重債務など精神的に追いつめられても、気軽に相談でき、専門家のアドバイスも受けられ、該当する場合には市をはじめとした福祉などのサービスの紹介もしてもらえる相談窓口です。
私も先日、受けた相談では「生活が苦しくて死にたい」という方がおられました。お話を聞くと、その方には多重債務がありましたので、弁護士を紹介し相談に行ってもらいました。相談者の方は「こんなに早く解決できるとは」と喜んでおられました。
このように、ほかの専門家にすぐに結びつけるということも、自殺したい気持ちを思いとどまらせることになると思います。
青年の自殺が深刻な状況ですので、ぜひ自殺を減らす対策としても設置を検討していただきたいと思います。
内閣府は、自殺対策推進室を設け、地域自殺対策緊急強化基金を都道府県に交付し、条例にもとづいて市町村に交付される仕組みができております。こうした財源を広報などだけではなくさらに活用して、ワンストップ相談窓口の設置に生かしていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。
国や東京都のひきこもりの実態把握と対策についてですが、
東京都がH22年に発表した調査では、H19年にひきこもりの状態にある若年者の調査を開始し、その結果を報告しています。その引きこもりの若年者の78%の人が相談の意向あり、と答えていることや、東京都が行ったひきこもり支援団体の実態調査では「就労・就学の前段階の支援が不足している」こともあげ、支援プログラムを決めています。そして、支援内容としては「自宅以外の居場所(フリースペース)の提供、社会参加への準備支援(社会体験活動)などが挙げられています。この調査結果をふまえ、足立区では、若者サポートステーションでは、仕事を実際に体験するプログラムや居場所などを設けています。
八王子市としても、まずは調査に踏み出して、実態を把握する必要があると思います。
市としてつかんだ個別の実態把握例について
山口議員の質問の答えとして「若者就職面接会などの機会を通じまして、個別に実態把握に努めている」ということでしたが、実際に面接会に来た方々の実態・様子として、雇用状況の厳しさ、そして求職者のコミュニケーションスキルなどの低さを感じた、ということでした。来た方々だけの調査ではなく、ぜひ、八王子に住んでいる青年全体の状況の調査をしていただきたいと思います。
次に、雇用・就労支援の対策についてです。
足立区の取り組みについて、調査結果などをお答えいただきました。
そこでぜひ、八王子でいかしていただきたいメニューの一つが、企業の現場で行う就労訓練です。市内の中小企業の協力を得て、実際に仕事を体験できるようなプログラムをつくり、青年の就労支援を図るということができないでしょうか。お考えをお聞かせください。
これまでも市ではしごと情報館におけるカウンセリングを行ってきたこと、その実績についてお示しいただきました。新卒応援ハローワークの状況もおうかがいしました。それぞれの機関のご努力に敬意を表します。これまで、私も5年以上前に青年の雇用の問題で、ハローワークや労働情報センターにも要請に行ったことがありますが、その時の印象としては、「連携があまり取れていない」という印象でした。その時から比べましても、連携は進んでいると感じました。
この新卒応援ハローワークに私も先日、視察に行き、担当者の方にお話を伺いました。このしせつは、昨年大学生の就職内定率の悪化などを受け、国が緊急に設置したもので、八王子と六本木にしかない貴重な施設です。八王子新卒応援ハローワークでは、実際にジョブサポーターという方々が、多摩地域すべての大学に足を運び、学校のキャリアセンター(就職課)と関係を作っていたり、直接の学生支援、中小企業とのマッチングを行っているということでした。青年を雇用に結びつけるという面でも、この新卒応援ハローワークとさらに連携を深めていただきたいと思います。
市の体制として田中副市長を本部長とした雇用対策本部、企業支援・雇用対策担当部長の配置と努力していただいてまいりましたが、さらに一歩進んで対策を強化していくために、現在の産業政策課とは別に、就労支援課を設けていただきたいと思います。足立区の経験から見ても、外部にサポートステーションを設置しただけでなく、区の体制としても就労支援課を設けて対策を強化しています。足立区は、その就職支援課の職員とNPOの職員で足立若者サポートステーションを運営しています。ぜひ、市の体制強化として就労支援課の設置についてお考えをお聞かせください。
足立区の経験から見ても、専門家のアドバイスやカウンセリングを受ける機会とともに、対象となる青年同士がつながりあい、助け合う活動の中で、自分の居場所ややりがいを発見していくプロセスが、就職にむかう力になると思います。また、先ほども言いましたように東京都の調査においても「自宅以外の居場所の提供」の必要性を報告しています。東京都のホームページにありますひきこもりサポートネットには、ひきこもりを次のようにとらえています。「一見怠けているように見えますが、本人は社会とかかわれに苦しんでいます」「ひきこもりの方は、人との関係に自信を失っています。少しづつできることから人との関係を回復し、自信を取り戻すことで、社会とかかわることができるようになります」というように人との関わりをつくっていくことが、重要だということだと思います。東京都では今年1月に「ひきこもり等の若者支援プログラム」のなかでこう述べています。「ボランティアや共同作業を通じて社会に参加する自信と能力を醸成することや、自宅以外の居場所や役割を提供して安心感を与え、自己の存在や生きていくこと自体への肯定感を醸成することを目的とした多様な取組を広げていく必要があります」とのべています。
ひきこもりの青年がいきなりハローワークへ、ということではなく家以外の居場所をつくり足立区のようにNPOの力もかりて、アドバイザーがいるコミュニケーションセミナーで青年同士がつながれる居場所を作ることが一定の実績を上げています。
そこでおうかがいします。八王子において、ひきこもりの青年が就労に向かう途中において青年同士がつながりあい、助け合うことのできる家以外の居場所、フリースペースづくりを進めていただきたいと思いますが、市のお考えをお聞かせください。
【3回目】
それでは、3回目の質問を行います。
自殺予防とひきこもりの対応について、今後どのように力を入れていきたいと考えておられるか、岡部副市長からお考えをお聞かせください。
若者の完全失業率は、全世代平均の2倍以上(34歳以下)、安い給料で生活設計もままならない派遣やアルバイト、契約社員など非正社員は、24歳以下で2人に1人に達します。派遣労働者の労災も跡をたちません。正社員の働かされ方も劣悪です。長時間労働がはびこり、仕事が原因のうつ病も相次ぐ──若者の雇用問題は深刻です。
これらは自然現象ではなく、若者1人ひとりに責任があるのでもありません。財界の要望にこたえ、「派遣労働の自由化」「裁量労働制の導入」など、政府が「労働法制の規制緩和」をすすめてきた結果、格差と貧困が広がり青年の二人に一人が非正規労働者という事態になりました。
国政レベルでの対策が重要なことは言うまでもありません。しかし、追いつめられ心の病に陥ったり、自ら命を絶つ青年をなくすために、身近な地方自治体として市ができる限りの努力をする必要があります。また、その実践例が足立区という同じ東京都内の自治体にあるのです。ひきこもりの青年の居場所づくりや就労支援などの青年を応援するセーフティネットを広げていくことともに、特に市民の要望が多い分野で雇用を増やす、認可保育園の増設や特別養護老人ホームなどを増やしていくことは、中小企業の仕事も増やし、地域の新しい雇用の場をふやすことにもつながります。市の政策として直接雇用を増やしていくことも重要だと考えます。
雇用を市政の重要問題ととらえ、雇用対策本部長してこの間真剣に向き合ってきた理事者として、今後の市の青年の雇用・就労支援対策について、どのような決意で取り組まれていくのか、お考えをお聞かせいただいて、私の一般質問を終わります。
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